過去の展覧会

鳥取民芸木工 福田 豊 木工展
2005.3/24(Thu)~3/30(Wed)

 

「鳥取民芸木工」“用”と“美”の集大成  ―福田豊木工展―
鈴木撲實(ぼくじつ)

 

3月24日から、倉吉市在住の民芸作家福田豊氏の作品展が開かれます。

「鳥取民芸木工」は鳥取民芸の父と崇敬されている吉田璋也氏の指導のもとで、虎尾政治、辰巳熊蔵、福田祥、茗荷定冶の諸氏らによって試作・完成したものが制作されておりました。

最近は指し物・くり物技法では福田祥・豊氏、挽物技法では茗荷定冶氏、山根粛氏によって「鳥取民芸木工」の伝統が守られ、新作民芸木工発祥の地位が保たれております。

福田祥・豊氏は昨年秋に「福田祥・豊父子二人展」を開く企画があって、作品制作に情熱を傾けておりましたが、その最中の七月ご尊父祥氏が急逝されました。豊氏の失意の中、陶芸家山下硯夫氏をはじめ多くの作家たちの尽力によって「福田祥 遺作展」が、県立図書館展示室に於いて開かれました。この「遺作展」では吉田璋也氏を心から崇敬し、その指導理念を誠実に守り続けた祥氏の作品の中から民芸の原点である“用と美”の気品が髣髴として参りました。生前の祥氏とは作風はやや異なりますが、その道の識者のなかでは、東の黒田辰秋(人間国宝)西の福田祥とまで評されたほどの名工芸家でした。しかし、ご本人は常々“私は職人ですけえ・・”とおっしゃって、使う人の立場に立った作品を、丹精込めて手作りに徹しておりました。

この度開催の「木工展」は福田豊氏が父祥氏のもとで「民芸木工」の“技と心”の修行の道に入って三十有余年の精進を重ね、着実にそれを継承した成果と言えるでしょう。現在では祥氏に限りなく近づいた“技と心”で日夜制作に励んでおり、その努力が実って、鳥取県「伝統工芸士」「森の名手・名人100人」にも認定されております。

会場スペースの都合もあって中・小木工品を主体に展示されており、家具類などの大作は極一部に制限されておりますが、指物、くり物の“技”と無垢材に浮き出る“拭き塗技法によって顕される木目紋理の美しさに魅せられることでしょう。

 展示されている作品は文机、椅子、筥物、香合、額縁、盆、筆立て、皿立て等々さまざまですが、どれひとつとりましても、大変高度な技と誠実な作者の心をくみ取ることが出来る実用的工芸品でしょう。

ひとつひとつ目で観、手に取って感じ、日常使いの楽しみを味わうことが出来れば、新作民芸木工発祥の地鳥取の誇りと、“用と美”の尊重という民芸の趣旨にそいうるものと思われます。

 

(鳥取市湖山)

 



福田豊さんは熟練した指物技術によって鳥取民芸家具の技を今に伝える数少ない木工職人です。鳥取の民芸運動家吉田璋也氏と共に創り上げた民芸の型を基本に欅、栗、栃などの無垢材の木目を生かした拭漆(ふきうるし)仕上げで机、椅子、盆、額縁、文箱、スタンドなどあらゆる生活の道具を作っています。
当初は父子2人展の予定で父祥(アキラ)氏も日々制作に没頭しておられましたが昨年7月急逝され11月には鳥取県立図書館・特別展示室で遺作展が開催され多くの民芸ファンで賑わいました。
鳥取で生まれた民芸の仕事を多くの方にご覧いただきたいと思います。

鳥取で初個展.

 

福田 豊:倉吉市在住