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過去の展覧会

 

 

 

 

 

 

 

第3回 ”YARO会”油絵展
10/1(Sat)〜10/6(Thu)

巨樹のような存在感             須崎 俊雄

〈老いても無理せずのんびりやろうかい〉

 平成15年に発足した「油絵同好会“YARO会”」だ。会の名称もこのモットーからきた。

大地のなかに深く根を張る巨樹のような強い存在感が、この会にはある。

 作品展は3回目になった。20号を中心に28点。それぞれが絵の個性を磨いていて壮観だ。作品の幾つかについて紹介したい。

 (鳥取市、文芸誌『断層』同人)       日本海新聞10/21掲載記事

 

■ 三沢猛

  「静物」   「納屋」   「大山」
 
   「街角」  F20 「キッチン」  

三沢猛さん。おおづかみに言って〈豪快〉な作風だ。今回は大胆な構図で薄暗い納屋の気分を描いた作品が異色だ。閉そく感とでも言えるふしぎなパワーが画布いっぱいに発散し、心に迫ってくる。窓外のヒマワリも、納屋の気分を微妙に引き立てている。

 また「キッチン」。白い水差しが全体的統一をめざしていて、ゆるぎない。骨太だ。

 

■ 芦村登志雄

「秋色欅通り」 「冬の日本海」 「ブナ林の秋

芦村登志雄さんの「晩秋の梨園」。近景のススキと遠景の森山に包み込まれるように梨園が安らぐ。晩秋であるが心底あたたかい。バイオレット系の色彩が晩秋の景色になじみ、効果的だ。

 そして「ブナ林の秋」。おなじ秋でもこれは勢いがある。飛んでいる紅葉をみていると、孤絶感と向き合うような気持ちになる。

 

■ 山口善三郎

「菜の花畑」 「春雪の南広西」 「青谷風景」
   
「早春の南広西」    

山口善三郎さんは「菜の花畑」だ。画面いっぱい黄色がひろがる。黄色に川が割りこむ。キッパリとした山の屋根が黄色にこだましている。〈気持ちいい作品になった〉と山口さん。自分のからだが菜の花に反応したにちがいない。

 「青谷風景」を見る。ちょっと変わった風景だ。小屋や板囲いや道。その道に沿って〈無理せずのんびり〉歩いてみたいような・・・。

 

■ 野澤昭作

「里山にて」  「蒲生川のほとり」 「山間の水田」

野澤昭作さんの「里山にて」がおもしろい。荒っぽく削られた山の地肌がなまなましい。赤茶けたその地肌と濃い紫とが反発し合っているように見える。ダイナミックだ。

 「蒲生川のほとり」の色彩は沈んでいる。雲が川辺にそっとほろにがい風を送りこみ、しんと静かな風景をささえている。

 

■ 萬井重男

「オアシス」 「バチカンの回廊から」  「春を待つ丘」
   
「城門の春」    

萬井重男さんは「オアシス」。鳥取砂丘に時折ふっと出現する水たまりを描いた。大自然がねじれ、砂丘がヒビ割れたのかもしれない。まるで大河のような砂丘の水が全体のポイントをおさえ、幻覚めいた安定感を誘っている。

 次に「バチカンの回廊から」。びょうぶ状に反る回廊や円柱の一つひとつが丁寧に描きこまれている。古代がにおい立つようだ。

 

■ 中村広治

「山地棚田」  「雪の山村」 「山村風景」
 
「城原海岸」 「梨畑」  

中村広治さん。「棚田」がいい。のびやかな田園風景のなかに背をまるめて作業する老女が、実にいい。きちんと構成された世界、その表面をかするような赤の点描。これらが表出する表情こそまさに絵画的だ。

 「山村の雪」。くっきり縁どられた版画のような描線だ。山に風格あり、と見た。