過去の展覧会

忠義おじいちゃんとりのちゃんの
二 人 展

2011.8/4(Thu)~8/9(Tue)

 

 

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忠義おじいちゃんとりのちゃんの二人展 1

忠義おじいちゃんとりのちゃんの二人展 2

 


 

二人展に寄せて

 祖父と孫による展覧会は、おそらく鳥取では画期的なものである。

 祖父である佐古さんの風景画には、人影が見当たらない。静謐な時間と澄んだ空気感、自然と作者の享受感が筆跡から伝わってくる。退職後、4年間を安東尚文先生に師事し、その後6年間、独力で今日まで自分を律してきた。おそらくは、生来からモノを観、多くを感じ、手の訓練に、より以上長けていたのではなかろうか。

 しかしながら、『見えない自然の摂理』の中に『私』を投げ出して感情移入することの難しさと格闘しながらも『穏やかさ』を感じるのは、二度の大病を乗り越えてきた死生観と矜持を悠揚と堅持し続けた表れからだと思う。病気療養中の多くの方達が、佐古さんの作品に『癒される』訳は、単にその人柄だけではなく、共に生きて行く力を感じとるのであろう。

 一方で、孫であるりのちゃんの作品は、人物が主体となり、彼女の好きなスカイブルーを巧みに使いながら補色のオレンジを重色することによって深遠さをより強めている。さらに、その技法が作品全体に夢想感や心地よい仕上がり感となって心に響いてくる。

 6年間、デッサンや色彩構成、立体構成は優に200点を越え、描写力は造形大の中でも抜きんでている。受験から解放され、今や制作の苦しさも「何よ」とばかりに吹き飛ばし、描く歓びと楽しさを放っている。そして、彼女の世界観が益々増幅と伸長、さらには変容を繰り返しながら進行している様が作品の魅力といえる。

 欲をいえば、りのちゃん、この画廊を埋め尽くすような広く巨大に空間演出された大作に挑んでみてはどうだろう。などと身勝手なことを考える。

 ともかく、祖父と孫という血縁でありながらも実に対照的だと感じるのは、やはり作品は『個』より発さられる産物であり、二人が互いにそれを認め合いながら遺憾なく発揮している点が何とも微笑ましい。さらに、その姿こそ真の家族のあるべき理想像ではないかと、この二人展を観て感じる。

謹白

ル・クレイヨン美大系 進学教室

ル・クレイヨン絵画教室    

主宰 中村 明

 

“おじいちゃん”佐古忠義さんと”孫”石上りのさんの心温まる二人展。忠義さんは退職してから水彩画を始めた。絵画教室に通いながらたどり着いた10年目。自信作とよべる作品も少しずつ増えてきた。精緻な筆づかいからは優しいまなざしがうかがい知れる。その姿を側で見てきたりのさんは、現在、芸術大学でイラストレーション科を専攻。アクリル画で頭の中のイメージをつむぐように色を重ね、一つの言葉から呼び起こされる記憶を映す。いつか一緒に展覧会を開きたいと願うようになった二人。念願の本展では、忠義さんの描く風景、静物、人物の水彩画約25点と、石上さんの心象深いイメージの世界を描いた作品約10点が肩を並べる。自分自身と向き合い、お互いを見つめてきた二人の視線がみずみずしい。

(さんいんキラリ22号(2011年7月下旬発行)寄稿文)

 

 

透明水彩の透き通った魅力に惹かれ、美しい絵を描きたい忠義おじいちゃん。絵が好きで好きで美大生になり、描くことの幸せを満喫する孫娘りのちゃん。そんな2人による展覧会です。

〈佐古忠義〉

65歳から水彩画を始める 日本水彩画会山陰支部会員

〈石上りの〉

成安造形大学芸術学部イラストレーション領域2回生

blog「f+」 http://fxxxxyg.jugem.jp/