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前田直衞 特別回顧展
生誕100年を前に-
2014/9/5(金)~10(水)

10:00~18:00 (最終日17:00まで)

 

【1・2F 同時開催】

来年生誕100年を迎える用瀬町出身の日本画家、前田直衞の偉業をたたえる展覧会。

 

鳥取市用瀬町出身の日本画家・前田直衞(まえたなおえ)。

古都・京都の老舗のたたずまいや

故郷・鳥取の風景を愛し、描き続けた

孤高の画人の画業を展示します。

 

1915(大正4)年4月28日、鳥取県八頭郡大村鷹狩(現・鳥取市用瀬町鷹狩)に生まれる。出生前に父を亡くし、小学6年の冬に親戚を頼って大阪に出る。さまざまな仕事を経験したのち、日本画の巨匠・横山大観の代表作「生々流転」に出会って画家への思いをかき立てられ、1931(昭和6)年、鳥取市生まれの日本画家・菅楯彦(すがたてひこ)の内弟子となる。1936(昭和11)年には菅楯彦の紹介状を携え、京都画壇の重鎮であった橋本関雪に師事。しかし、日中戦争の勃発により、終戦まで三度応召される。その間、1910(昭和15)年には、紀元二千六百年奉祝美術展覧会に「砲車」が入選する。しかし、中国から復員したときには師の関雪は他界しており、虚無感からその後十数年間、絵筆を置いた。

やがて、最良の支援者(伴侶)と出会い、1960(昭和35)年、第45回日本美術院展覧会(院展)に「波切(なきり)」が入選したのを機に、本格的に制作を再開し、以後、院展を主な作品発表の場として制作に励む。1963(昭和38年)年には日本美術院の「院友」に、1986(昭和61)年には「特待」に推挙されている。

初期には幾何学的な構成要素や技法を取り入れ新しい日本画を模索したが、1970(昭和45)年頃からは京都の老舗や古民家を取材した作品群の制作を始め、伝統的な建築美を通して、統一した色彩とおだやかな画風で人々の営みを描き続けた。2008(平成20)年12月23日、逝去。

 (参考:「鳥取市人物誌 きらめく120人」2010年、鳥取市発行)

 

◆ゆかりの地元作家(前田直衞顕彰会顧問)の作品展示
前田画伯にゆかりの地元作家の作品をあわせて展示します。
岸本 章氏[日本画]前田直衞顕彰会顧問・日展会友
高橋俊子氏[日本画]前田直衞顕彰会顧問・日本美術院特待
古澤順子氏[染 織]前田直衞顕彰会顧問・現代工芸美術家協会本会員

 

◆児童生徒交流絵画講習会の作品展示
前田直衞顕彰会が実施している「佐治・用瀬地域 児童生徒絵画交流事業」で制作した地元小中学校(用瀬小学校、佐治小学校、千代南中学校)の児童生徒の作品を展示します。

 

◆ギャラリートーク1
ゆかりの地元作家によるトークセッション
日時:9月6日(土)14:00~15:30
ゲスト:岸本章氏、高橋俊子氏、古澤順子氏

 

◆ギャラリートーク2
前田画伯に師事した愛弟子によるトーク
日時:9月7日(日)14:00~15:30
ゲスト:藤井誠氏(京都市在住・白潤会会長)

 

■主催:前田直衞顕彰会

 協力:協力:鳥取県立博物館 鳥取市立中央図書館 鳥取大学

 

ギャラリーあんどうブログ

[2014/9/5]前田直衞 特別回顧展 生誕100年を前に-

 

 

前田直衞は、鳥取市用瀬町出身で、菅楯彦、橋本関雪、羽石光志に師事し、京都画壇の重鎮として活躍された日本画家。

来年生誕100年を迎える前田画伯の画業を広く知っていただくため、鳥取市が所蔵している作品の中で150号の大作や地元を描いた「雪の因幡路」など、代表的な作品やゆかりの品、前田画伯を紹介するパネルなど約20点を展示。併せて、前田画伯にゆかりのある地元作家の方の作品や、前田直衞顕彰会が実施している「佐治・用瀬地域児童・生徒絵画交流事業」で制作した地元小中学生の作品も展示し、郷土出身の前田画伯の偉業をたたえる。

さんいんキラリ 秋号 ・No.31 キラリおすすめ美術館ガイド 掲載記事

 

前田直衞回顧展に寄せて  郷里・用瀬の美を日本画に

鳥取市用瀬町出身の日本画家・前田直衞氏の生誕100年を来年に控え、鳥取市内の画廊で特別回顧展が開かれる。生前より数多くの作品を地元に寄贈しており、回顧展では用瀬町や佐治町が所蔵する大作のほか、県立博物館や鳥取大学に贈られた作品も出展される。絶筆となった「隠岐の舟屋」も用瀬町以外では初公開となる。
前田直衞氏は大正4年4月28日、八頭郡大村鷹狩(現鳥取市用瀬町鷹狩)に生まれた。出生前に父を亡くし、小学6年の冬、大阪の親戚を頼って上阪。菅楯彦、橋本関雪、羽石光志らに師事し、日本美術院を活動の中心に据え京都画壇の重鎮として名望を集めた。平成20年12月23日、享年93で惜しまれつつ他界したが、京都の老舗に取材した一連のシリーズは日本の伝統的な建築美を重厚にして優美な筆致で描いた傑作として高い評価を受けている。
一方、郷里の風景を終生にわたって愛し続け、用瀬の流し雛や佐治の紙漉きも画題としている。今回の回顧展は「古都、そしてふるさとへのまなざし」と銘打って、前田作品の魅力の精華を集めた展示となっている。
展覧会を主催する前田直衞顕彰会は平成22年5月に発足。前田氏とゆかりの深い岸本章、高橋俊子、古澤純子の三氏を顧問に迎え、用瀬・佐治の小・中学生たちの絵画教室も推進している。回顧展では顧問各氏の賛助出品もあるほか、顧問の指導を受けた児童・生徒の作品も会場を彩る。
さらに、ギャラリートークでは顧問の三氏が前田作品の魅力を語るほか、愛弟子である藤井誠氏も秘蔵の手本帳を携えて京都から駈けつける。
来年4月には県立博物館で生誕100年記念展が開催予定。特別回顧展はプレ・イベントという位置づけであり、顕彰会では今後、図録や記念グッズの作成も計画している。郷土での前田直衞顕彰の輪はいま大きく広がりつつある。
(前鳥取市立中央図書館長・西尾肇)

2014年8月28日 木曜日 日本海新聞掲載 寄稿文