過去の展覧会

銅版画と油絵 姉妹展2015

銅版画/安田みつえ 油絵/船井淑子

2015/4/17(金)~4/22(水)

AM10:00~PM6:00(最終日PM5:00迄)

 

2006年5月、当ギャラリーで開催しご好評いただいた姉妹展

今回は、9年ぶり2回目の発表となります。妹の安田みつえさん(東京在住)は、ざん新な表現技法による銅版画を中心に、アクリル画、装画作品も発表。姉の船井淑子さんは、身近な風景や花などを心趣くままに描いた油絵の新作を展示します。より個性あふれるイメージと色彩の響き合いをお楽しみ下さいますようご案内申し上げます。

安田みつえ  東京都在住・智頭町出身
船井淑子 鳥取市在住・智頭町出身

■ギャラリーあんどう企画

 

ギャラリーあんどうブログ

[2015/4/17]銅版画と油絵 姉妹展2015 銅版画/安田みつえ 油絵/船井淑子

 

 

 ちょうど一年前のことである。新しく「とっとり文学賞」が創設され、第一回受賞作に漆原正雄の創作「地上にまつわるフィクション」が選ばれた。同作品はやがて主催者によって出版刊行の運びになったが、その際、著者漆原が表紙や見返しの装画として指定したのは、安田みつえ(鳥取出身、在東京)の銅版画「ワンダーランド」だった。ハガキ大の小品だが、そのタイトルにふさわしく奇想天外な情景が明滅している。

 漆原の並外れた特異な感性は、出合うべくして安田の作品をキャッチしたと思った。

 鳥取文学賞のことから装画の話になったが、今回の会場には安田の装画やイラストを配した書籍も展示される。三島由紀夫や五木寛之もあるが、なかでもぼくは『美しい季節のことば』(NHK出版)の春夏秋冬のイラストに魅了されている。人は色と形を見ることによって、そこに四季を創造するわけだが、ぼくはその四枚の季節のなかに自分が塗り籠められて、溶けてしまいそうなあやうさを覚えるのだ。ぜひ手にとって頁を開いて見て欲しい。

 安田は東京だが、姉の船井淑子は鳥取の河岸に居て、一貫して身近な風物を描き続ける。「野アザミ」と題する油彩10号に見るように、土手の草花の生命と一体になって交歓している船井の律動が、はっきり伝わってくる。夫君のフナイタケヒコも、近年の彼女の仕事を「腰が落ち着いてきた」と評する。

 草花の生い茂るこの土手は、霞堤(かすみてい)である。霞堤は洪水を防ぐとともに、上流から流れ下る肥沃な土を蓄える働きもしている。画材との至福な交流が約束されている土地に住む画家だ。

 今回、九年ぶりの姉妹展である。

(手皮小四郎・詩誌「菱」同人)

2015年4月16日木曜日 日本海新聞掲載 寄稿文

 

 安田みつえ 「あの日」

 

船井淑子 「野あざみ」