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過去の展覧会

酒本敬子 個展 ローケツ染と油絵と
4/4(Fri)〜4/8(Tue)

美しさ、楽しさ感じで 4日から鳥取

酒本敬子個展 ろうけつ染めと油絵と

 

 新協美術会、グループ彩の会員である酒本敬子さんが四度目の個展を開かれます。酒本さんはかやぶき民家を油絵で描かれることでよく知られています。ろうけつ染めとのかかわりは三十代半ば、子育てがひと段落してから。智頭中央公民館のクラブに通い、故尾崎幸枝先生に基礎を学んだことから始まりました。

 その後、「八頭雪景」が県展賞、「髪飾りの女」が市展賞、さらに「室内の女」「どうだん娘」「ふたり」など受賞を重ねていきました。この後も「女性シリーズ」が続き、「四十代後半は私にとって一番充実していたときかもしれません」とほほ笑まれます。

 奈良の思い出「緑陰」は息子たちとシカで戯れる様子を描いたものとか。「仁風閣・紫苑」も紫色を背景に好きな作風と語られます。酒本さんにとってろうけつ染めの魅力とは「ぼかし」がうまくいき、思い通りの色彩に染まることです。そのとき図案を生み出す苦労は解消されます。

 一方、油絵も「秋の民家」(30号)から「春の民家」「雪の民家」「桜の民家」などまで「民家シリーズ」満載です。「多鯰ヶ池」「山陰海岸」のほか、最近では野の花にも興味を引かれ、「ホタルブクロ」「野菊」など多くの作品が出番を待っています。

 「絵と子どもとはどうしても切り離すことはできません。今は智頭農林高校生と会話することで心が洗われ、絵を描く支えにもなっています」と酒本さん。レオナルド・ダビンチやフェルメールの名作を伝え、絵の美しさ、楽しさを感じてほしいと願っておられるとか。また、「私自身も心安らぐ風景を探して一枚でも納得できる作品をつくり上げたい」と瞳を輝かされました。

 アトリエの窓際には、ろうに固まった筆が数本凛と残されています。この穂先こそ命を込めてろうの線を引かれ続けた証です。ひたむきに美を求め、表現し続けられる女性のシンフォニー満ちたアトリエに別れを告げました。

久利渓子(鳥取市庖丁人町)

 

2008年4月1日(火)日本海新聞掲載記事